サーキットの花といえば、レースクイーンですよね。
アツいレースをサポートしてくれる、まさにクイーン。
ところがF1では、レースクイーンが廃止になることが決定されてしまいましたね。
ネットでは賛否両論、いろんな議論が交わされています。
というわけで今回は、レースクイーンがなぜ廃止になるのか?という理由について、わかりやすく説明してみたいと思います!
日本にも影響があるのかどうかという点についても、考察していきたいと思います。
レースクイーン廃止の理由にツッコむ前に・・・・
目次
※正確には、廃止になったのは「レースクイーン」ではなく「グリッドガール」です。
レースクイーン:イベント(ピットウォークなど)や、スポンサーの紹介イベントなどを務める女性。
グリッドガール:カーナンバーの書いたプラカードを掲げる役割を務める女性。
とはいえ、「じゃあレースクイーンは廃止になんないんだね」ということにはならない可能性が高いです。
その理由についても掘り下げていきたいともいます。
F1でレースクイーン(グリッドガール)が廃止される理由
×「女性団体(フェミニスト)の圧力のせいだ!!」
○「現代の社会規範にそぐわないから」とF1の運営が意思決定したこと
ネットなどでは、グリッドガールの廃止を、どこかの女性団体の圧力のせいにしているような意見が散見されます。
しかし、F1の運営はそのような圧力を受けた事実を発表していないですし、どこかの団体が勝利宣言をしているわけでもありません。
あくまで、グリッドガール廃止はF1の運営が「現代の社会規範にそぐわないから」・「F1のブランド価値を守ため」と意思決定したものになります。
「現代の社会規範にそぐわない」ってどういうこと?
「女性差別」ダメ、ゼッタイ。
ズバリ、ここでいう「現代の社会規範」というのは「女性差別をしてはいけない」ということになります。
このグリッドガールという職業は、「男性客を集めるために女性の体をモノとして利用している」として、女性を差別しているとみなされているというのですね。
最近では、ハリウッド女優が声高に、性差別についての問題を訴えている流れもあったりもしますよね。
やはり性差別に限らず、差別問題というのは社会からの目も厳しいものがあります。
企業としては何かある前に先手を打っておかなければならないので、まぁ当たり前といえば当たり前かもしれません。
世間からの目は厳しいですからね。
「F1のブランド価値を守るため」ってどういうこと?
何でもいいからとにかく客を集めるわけではなく、F1そのものをちゃんと面白くして真に見たい人を集める
そもそもな話、F1に限らずモータースポーツを見に来る人は、「モータースポーツを見たいから来る人」ですよね。
確かにF1は興行ですが、だからと言って何でもかんでも客寄せパンダを仕込めばいいってもんじゃありません。
それこそレースクイーンやグリッドガールを起用したイベントでいくら取り繕ったとしても、もはやそれはテコ入れにすぎません。
きちんと、面白いモータースポーツ興行を提供しないとリピーターは付きません。
そりゃそうですよね。
面白くないのにもう一回行きたい!とは思うわけがないですからね。
だから「F1そのものをもっと面白くして価値を提供する。そのためにグリッドガールは必要ない。だから廃止するのが合理的だ。」という判断をしたということになります。
男性の鼻の下を伸ばして経済を回すという「ゾンバルト型経済発展モデル」から脱することができないJAPAN(左)と、ユーザビリティーや製品そのものの本質的なブランディングを極めようとするWORLD(右)の戦いの結果は誰もが知る通り。「グヘグヘ経済」は日本衰退の大きな要因。 pic.twitter.com/4dLphe6mp4
— 勝部元気 Genki Katsube (@KTB_genki) February 2, 2018
本来、商品やサービスの質が良いからこそ、お客さんは何度も何度も足しげく来てくれるものです。
確かに、モデルや女優などのいわゆる美女とされれる人が露出度の高いコスチュームを着てアピールをすれば、事実としてお客さんは来るでしょう。
ですが、肝心の商品やサービスが微妙な状態で、果たして また来たい・利用したいと思うでしょうか?
「レースがつまらないのに、わざわざレースクイーンを見るためだけにまた来るか?」と言ったら、はなはだ疑問ですよね。
レースがつまらなければ、「こんなもんか・・・、2回目はいいかなぁ・・・」と思われるだけです。
それでは、興行収入が落ちていく一方です。
日本にも影響はある?
近い未来にグリッドガールがなくなることはないが、無くなる可能性は否定できない
日本ではレースクイーン・グリッドガールの廃止に、反対的な意見の方がかなりの割合みられるので、すぐに廃止になることは考えにくいです。
しかし、判断をするのは企業であるということを忘れてはいけません。
そもそも、日本市場を限定したモータースポーツ興行はどうしても限界があります。
人口的限界もそうですが、そもそもモータースポーツに興味のある人数自体が右肩下がりしています。
モータースポーツを発展させるとしたら、やはり世界をターゲットにすることが賢明な選択です。
そうなると、レギュレーションだったり規制だったり、もろもろ世界基準に従っていくことになるのは明白かと思われます。
日本で人気のSuperGTだって、ゆくゆくはドイツツーリングカー選手権(DTM)と世界選手権を行うことを視野に入れて、レギュレーションを統一させています。
そういう背景もあって、決して「日本のレースクイーン・グリッドガールはいなくならないよ」と言い切ることはできません。
世間の意見
既にそれは始まってますよ。
ミスコンが容姿を競わない内容にされたり、レースクイーンが廃止されたり。
自分以外の女性が輝くのが不愉快なんでしょうねぇ。— せいぢ (@TZR250_3ma_90sp) September 9, 2018
レースクイーンも
ラウンドガールも
イベントコンパニオンも
グラビアアイドルもみんな
やりたくてやってるんだよね?
しかも
選ばれた人がやってるんだよね?女性が勝ち取った地位を
女性団体が奪う事になってない?『蔑視という奴らが1番蔑視してる』
あなたはレースクイーン廃止に賛成
— かずや@副業で脱サラ (@FabfFx2) September 9, 2018
他にも、「芸能人の登竜門的存在だ」として廃止に反対する意見も見られます。
現実として、元レースクイーンで今大活躍している芸能人だってたくさんいますしね。
ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんも、この件について「女性が勝ち取った地位を奪ってしまうものだ」と、反対意見を述べていました。
日本では、かなりの人数が反対意見を示しているのがわかります。
確かに「わけのわからない行為」とも捉えられる
ビジネス的な観点にみで見た時、確かに「何が目的でやってんの?」という疑問はぬぐい切れません。
そう思う理由は以下の3つです。
・レースクイーンがいなくなってF1を見に来なくなることは考えにくいが、ないとは言えない。
・レースクイーンがいなくなることによって、「よし!レースクイーンいなくなったから、F1見に行こう!」とはならない。
・かといって、例えば「サブカルチャーとのコラボをより強化する」みたいなの、他の集客戦略をとるわけでもない。
つまり、このレースクイーンの廃止は「集客の手段を1つ捨てた」という行為になります。
ビジネスにおいて、「集客」というのはとても重要な要素です。
いくら楽しいもの・面白いものでも、誰にも知られていなかったら誰も見に来てくれません。お客さんが来なければ、当然ながらお金だって支払われませんよね。
まずはたくさんの人に知られて、たくさんの人が来るからこそ、たくさんのお金が支払われるのです。
ちょっと言い方は悪いですが、女性(例としてモデル・グリッドガール)は事実として集客の手助けになります。(もし気分を害されたらお詫び申し上げます)
それを無下にしたということは、ビジネス的観点のみで見えると「え?何がしたいん?」と思われてしまうというのが事実です。
しかし、本当にレースクイーン廃止は反対されるのが妥当なのでしょうか?
所詮F1で主役の「男性ドライバー達」に添えられた「脇役」に過ぎないということが問題
忘れてはいけないのが、レースクイーンやグリッドガールはモータースポーツに「利用されている」という事実です。
よく「レースクイーンはサーキットの花だ。」なんていわれますが、それはあくまで「消費者から見てどうか?」というものです。
確かに露出度の高いコスチュームを着た女性は美しく華やかです。
でも本質を見るとどうでしょう?
言い方は悪いですが、レースクイーンはただの客寄せパンダに過ぎない状態です。
実際、レースクイーン・グリッドガールはとても薄給です。
日給は1~2万、人気がまだあまりなかったりすると1万円を切ったり、しかもレースは毎日開催しているわけではありません。
こちらの記事でも紹介していますが、レースクイーンやグリッドガールの仕事って結構体育会系なんです。
そう考えると、ホントに労働の対価として見合ってる?と疑問を抱かざるを得ません。
「ブラックバイト」とも言えなくもありません。
それを「本人がやりたいからいいじゃん!」「女性の職業を奪うな!」と言ってしまうのは違うんじゃないかと思いますね。
決して、レースクイーンをされている方を否定しているわけではありません。
レースクイーンという労働構造を否定しているのです。
こんな割の悪いことするよりも、SNSを活用して活動したり、キャラになるスキルを身につけたり自己投資をすることに時間をかけ他方が、よっぽどお金はバックできます。
「当事者がやりたくてやってるんだ!」「女性の職業を奪うな!」
これは、個人の力が強くなっている時代、労働(時間の切り売り)ビジネスモデルが弱くなっている時代において、「当事者は騙されている(真実に気付いていいない)けど、本人が気づかないならそれでええやん」と言っているも同義になります。
例えば、1日12時間以上働かされて、生活できるかどうかギリッギリの安月給で雇われているが「やりたいからやっている」と疲れきった顔で言っているとします。
きっとあなたは、「その職場おかしくない?絶対こき使われてるだけだよ!」といった具合に転職を勧めますよね?
ところが、ことレースクイーンになると、それと逆のことをするのです。
やりたいんだからなくすな!とか、職業を奪うな!とか。
矛盾してますよね?
これって、自分で自分たちの首を絞めていることになりかねません。
「安月給でもやりがいがあるし楽しいからやる!」という風潮が労働者側にあれば、雇用する側に「あ、こいつら安月給でもやりがいさえあれば働くんや。へっへっへ、利用したろ。」と付けこまれてしまいます。
労働も「雇用主に対して売り上げを上げる」という立派なビジネスです。
そのビジネスの中では、やはり弱肉強食。よく考えて、賢く立ち回らないと食い物にされます。
しかも皆がみんな本質に気づかず思考停止でいては、もはや自分で自分の首を絞めていることになります。
まとめ
・グリッドガール廃止の理由は「F1のブランド価値を守るため」「社会規範にそぐわないから」の2つ
・日本への影響も十分に考えられる
・反対意見が多いが、それは間接的に自分の首を絞めている
ますます企業の責任が求められるようになってきたり、世間からの目が厳しくなってきている昨今、企業は世間体をより敏感に気にしなければならないので大変ですよね。
世界にはいろんな考えを持った人がいるから、なかなか難しいことではありますが。
でも、あまりに企業に厳しく目を光らせていると、自分の首を絞めることになります。
企業が規制を受けて自由に身動きが取れない状態になればなるほど、結局家庭の財布にも響くことになりますからね。
何事もほどほどがベストですね。
それでは^^
やりたいんだからなくすな!とか、職業を奪うな!とか。
矛盾してますよね?
全く矛盾していない
仮にグリッドガールがブラックならそういった労働環境を変えて彼女達の働きに見合った対価を与えていこうと動くのが大切なのであって、いきなり職自体を廃止することは職もとい自由の略奪と捉えられても別におかしくはない